北島町議会の傍聴(2023年12月14日)

日程 一般質問 議員5名 (佐々木紀子議員・増谷禎通議員・梶哲也議員・板東泰史議員・夷谷大輔議員) 

北島町議会は藍住町議会と同じく質問の相手を通告書に記載出来る。もちろん町長に対しても求められる。午前中2名の議員の質問を傍聴した。佐々木議員は全ての答弁を担当課長に求めていたが、増谷議員は町長と担当課長に答弁を要求していた。しかし結果、増谷議員の質問にも全て担当課長が行なった。ただ、ひとつ議員が町長に答弁を求めた時、副町長が手をあげ「私が答えよう」と笑顔で登壇し「言われた通り、フラワードームに喫煙者の為の喫煙場所を設置しよう。約束する。」との一幕もあった。

佐々木紀子議員・・・●交付金の使途 ●不妊治療の助成制度 ●教育現場の課題 特に重点支援地方交付金」の活用についての質問は他の議会でも質問する議員は多かった。具体的な事業として、学校給食費の補助、また置き配や映画チケット支援を考えてはどうかと提案。給食費は現状2分の1を補助している。交付金4500万円は年度内に使うが、具体的事業はまだ未定で検討中。」と担当課長が答弁。 

増谷禎通議員・・・●新型コロナワクチン接種について ●農地転用問題の経緯 ●まちみらい課のあり方 ●フラワードームに喫煙所設置 ●教育現場の現状 ●保育所内での事故対策 ●再生可能エネルギー策定事業の進捗状況 議員が多くの資料を準備し力説した「農地転用問題」が印象に残った。協議会に提出され承認した農地転用の内容は1企業だった。しかし、いつの間にか用地が2分割され、2つの企業が既に用地整備を行なっている。変更があったことを報告せず、議員の怒りが質問となったようである。承認していない内容について反対しているわけではなく、変更したことの報告を怠った怠慢を責める質問であった。課長は報告責任を問われて、最終謝罪答弁となった。

傍聴者の意見=この報告責任の怠慢。事業を進めるにあたっては全ての流れがいつも関係者に情報共有出来ることが求められる。横のつながりが出来ていれば、事故が起こっても原因が早期に改善されやすいし、事業の進捗ははるかに早くなる。議会でこの様な質問が出ること事態、事業に影が差すことになる。これこそ最終は町長の見解と責任を求めるべきではなかったかと思うが。今日は傍聴者が多かった。北島町は議会モニターが傍聴するので、モニターさんかと尋ねると1人元県議会議員だった方が来られていた。馴染みの議員がいる議会を引退後に傍聴しに訪れているという。上板町には来ていないかなぁ。あとの3人はモニターで、自分の空いた時間を使って傍聴し、議会に対して意見批判などの感想を伝えるようである。話をして気になったことは、視点を変えた情報発信(議会中継・ネット配信・住民との交流会)を色々しているが、議会の議事録が原本でなく、要旨をまとめた文書になっていることを気にしていた。それは確かに私も気になった部分である。

 

上板町議会の傍聴(2023年12月13日)

一般質問 2議員の質問(13日の午後に傍聴)。この時、村上議員・鈴木議員の2人が体調不良のため欠席。議会は10人の議員で始まった。

前田忠道議員・・・幼稚園の外国語教育、一問だったので15分ほどで終わったが、印象に残ったのは答弁。令和5年11月15日付けで新たに就任された和田敏孝教育長が答弁された。教育長は長年学校教育や県職員として携わってきた経緯があり、最終は地元上板町東光小学校と神宅小学校の校長を務められた。幼稚園の園長も歴任されたため、英語で遊ぶ幼児を実際に見てこられた答弁は清々しく感じた。問題を抱えていた東光小学校を生き生き元気な学校に変えてくださった前例を私たちも見ているので、大いに期待したいと思う。子ども達の相談にも丁寧にお付き合いしてくださる校長先生だった。

上原勝利議員・・・9月の町議会議員選挙で無投票であったが、当選を果たし初の定例会で一般質問に臨んだ。3つの分野の質問を1時間ほどかけて追求した。一番感心させられた質問は、固定資産税の問題。減免の特別措置法が解除されてもそのまま20年間修正なしで納税した対象住民。この事が発覚した昨年6月末には、一転して税金滞納者になった。12月には多額の滞納額を請求する通知が突然自宅へ送付。事前の理由説明もなく住民は混乱し役場窓口に日々詰めかける事態となった。この問題の原因と過程を質問。税務課長答弁「当時の文書が保存されておらず、経緯も不明」「家屋の減免措置の効力が失効する時点の事務処理が上手く取り扱い出来なかった」「当時の税務課では何らかの決め事はあったと思う」「重大な錯誤による価格には修正が認められているので、12月に通知書を発送した」職員の不作為」で重大な錯誤は発生した。しかしこれは「行政の不作為」だろう。税務課長最終答弁「多大なご迷惑をおかけし申し訳なく思う。今後は信頼を回復するよう丁寧に職務を遂行していく」と謝罪をした。

傍聴者の意見=この謝罪は課長でなく、町長が言うべき言葉ではないか。税金滞納者を発生させた責任はないが、その後の事務処理において説明もなく突然多額の請求をかけた処理方法で、住民を混乱に陥れた責任はかかってくる。町長が判断してそのような事務処理が行われたのだから。住民の混乱を引き起こした責任は町長にある。昨年6月末に発覚。12月に多額の滞納を請求する通知を送付するまでに、説明責任を果たす時間は充分作れたはず。町長自身が担当職員と共に対象地区へ出向いて行くべきだった。おそらく担当窓口の職員も日々追い詰められた住民からの批判に相当辛い業務になったと思う。今回求めた答弁は、「原因と過程」そして最高責任者からの真摯な謝罪の言葉。町長はご自分の仕事が何か認識されていないため、運営のどの部分で責任が発生したのか理解出来ていないのだろう。議員が視点を変えながら「原因と過程」を追及し、「この答弁では納得出来ない。同じ答弁の繰り返しで過程が見えない。」答弁に憤りを抱えた中で、議員は理不尽と思われる町長の行為が頭に浮かび「滞納の職員に町長自ら呼び出し、町長室で支払いをするよう促したと聞いたがそれはパワハラに当たるのではないか。」この再問に表情を変えた町長は席を立って税務課長のところへ駆け寄った。「通告外の質問」(関連質問だろう!)と議長は答弁無しで進めようとしたが、町長は「いや答える」「職員であるならなお更、請求に対しては早期に支払うよう注意をした。それは事実だがパワハラと受け取られては。」議員の追及もそこで終わった。しかし、住民に対して滞納の徴収を課長以下担当職員が行なっているのであれば、職員に対してのみ町長自ら町長室へ呼び注意説得することは部下にすればかなり圧力のかかった状況に追い込まれたと思う。公平さを欠く注意は、明らかにパワハラである。この問題がとてもデリケートなだけに、他の滞納とは訳が違うことを心に刻むべきである。行政の不作為から発した、特別な意味を持つ滞納である。本当に払えない住民と共に、原因を知るためにその職員は払わないことで戦っているのかもしれない、と思えてきた。それは、議員の質問が本当に住民の立場に立った「叫びの訴え」だったからである。町長は職員と共に「原因と過程」を探るため最善の努力をしているのだろうか。町長室に呼び出すのなら15~20年前の担当職員ではないのか。議員の質問にあったように「この滞納が公になるきっかけを作ったオンブズマンはどこから情報を取ったのか?」には答えはなかった。傍聴席では、確かに聞き応えのあった一般質問だった。

「現在、窓口で説明を受け理解していただきながら3分の2の方々が支払いを完了している」と課長の答弁だが、支払った3分の2の方々も疑問点を知るため何度も役場へ通ったと聞いている。「納得出来たからではない。理不尽な支払い方をさせられる思いは残るが、住民の納税義務は果たさなければ。」と支払いを終えた住民は言われていた。