上板町議会の傍聴(2024年3月5日)NO,2

開会・・・町長所信表明=①子育て対策の現状について、②高齢者の福祉対策、③農業経営の安定、④防災対策(ため池廃止,備蓄品,施設の耐震化,防災訓練)⑤財政運営(交付金の認知,遊休施設の売却,税徴収)、施策の実現には議員住民のご理解ご協力が必要。説明責任を務めていくと、約10分間。その後、提出議案の説明。

令和5年度補正予算、2億4532万円減額し、総額56億2220万円

令和6年度当初予算、総額53億8500万円

主な歳入=町税11億1800万円、地方交付税20億円、国県補助金10億円、繰入金5億2700万円(財政調整基金)、町債6000万円。

主な歳出=中央広域施設組合負担金2億円、ため池廃止費2400万円、住宅団地管理費4100万円、西原団地解体工事費2400万円、中学校体育館空調工事費3500万円(7月中工事完了予定)、六条暗渠工事費3250万円等。

傍聴者意見=ゴミ処理施設移転の進捗状況には不明な点が多いにも関わらず、議員は誰も一般質問で取り上げなかった。おそらくこの事に対しての情報が無いから、答弁出来ないと忖度しての事か。ならば、それを追及するための質問をするべきだと思う。情報がないなら、町長幹部にも責任はある。また、元議長・元副議長も積極的に組合議会構成員として関わろうとしなかった責任も問われて当然だと思う。過去、多富元議員は前任者(七條町長)に対してゴミ処理施設の移転問題を2015年9月議会から問い続けてきた。が、松田町長に代わり、答弁事態を逃げる、避ける、進まない状態で活動力,発信力の弱さを強く感じた。これは、ゴミ処理施設移転の問題に限らず、行政全般においてである。住民の意見が割れるような大きな課題には手を付けず、放置の運営を続けている。これでは、町の未来に新たな取り組みや、アイデアの施策は生まれまい。横並び、遅れないよう遅れないよう、隣を見ながらの行政運営で町の独自性なしである。      

議員の質問により、住民は問題点や課題を知り、学ぶのである。

上板町議会2024年第1回定例会一般質問順(3月6日,7日)NO,1

1)上原議員=①防災対策について(組織図と人材・避難所運営等)②農業集落排水事業の継続について

2)柏木議員=①防災対策について(住まいの耐震化・避難所運営)②国保税について③会計年度任用職員の給与手当④高齢者ゴミ回収支援の今後

3)乾議員 =①令和6年度予算編成について②農業集落排水事業の会計③水道事業について

4)岩野議員=①幼稚園運営の現状と今後②青少年の健全育成について

5)本浄議員=①農業の現状と新たな取り組み②高齢者タクシー券について③ブックスタート運動の拡大

6)富永議員=①子育て支援策について(各種手当・育児休暇・給食費無償化)②職員定数確保と人事評価

7)安田議員=①健康増進対策(予防接種・計画策定等)②減災対策(住まいの耐震化・避難所運営)③北岸用水土地改良区の現状と今後

安芸高田市議会の傍聴(2024年2月26日)NO.3

傍聴者の意見=年度末の補正予算は、年間の予算の調整になるため事業に対しての削減額がほとんど。このためYouTubeで炎上する市議と市長の発言バトルは期待していなかったが、傍聴の多さに驚いた。何人かの方とお話ししたが、市外、県外の方ばかりだった。初めて来られた方、何度も来ている方、娘さんを連れて来ている方(主権者教育として)。皆さん、とても良い勉強になるからと言われていた。関心のなかった行政や議会のことを、ルールだったり、姿勢だったり、専門用語に対しても理解しようと学ぶようになったと。この様な流れが、次の投票率につながっていけばいいのにと感じた。地方議会の活動内容は、日常的にテレビ,ラジオ,新聞で耳目に訴えるようなことはない。なので、議会報告をしない議員が多ければ、議員活動とは何かも住民は知ることが無い。すごいなと思ったのは、中学生を連れて来ていた母親がいたこと。子ども議会をする自治体があるが、議員の真似事では議会の形を学ぶだけ。なぜ、議会が必要なのか。原理原則を学び、議員の使命とか、何のための予算議案審議なのかが大切。一般質問の真似事ばかりがクローズアップされているようで悲しい。石丸市長の炎上発言に引き寄せられるが、安芸高田市を未来に残すため奮闘している市長の考え方が今までにない熱量を感じて市以外からも人が集まってくるのである。それは傍聴した人たちが証明している。市長に共感し、安芸高田市に寄付が増え、この街を訪れる人も増え、企業さえ目をつける。市役所が観光地であり、記念写真を撮って帰る。石丸市長が紹介したものはすぐに拡散していくのだから、着実に結果を出してきている。1期でここまで市を有名にして、素晴らしいねと一緒に傍聴した方たちの評価だった。市議とも話すことが出来た。以前とは比べ物にならないくらい、議会での緊張感が増しているという。でも、その緊張感にとてもやりがいを感じている。日々勉強と思い、市長の目指す安芸高田市に近づけるよう尽力していくと、言われていた。

 

安芸高田市議会の傍聴(2024年2月26日)NO.2

議員が発行する「議会だより」昨年の3月号、6月号、9月号、12月号。市が発行する「あきたかた」News from Akitakata City 今年の1月号、2月号、3月号。7冊頂いた。

「議会だより」の表紙の題字が、毎回小学6年生(下に小さく名前入り)の手書きであるのが微笑ましい。各議員の質問や議案への判断を丁寧に載せているので、結果が出るまでの過程がよく分かる。広報「あきたかた」は、まるで情報冊子のように洗練された構成で、文字が読みやすい。内容は学校・市民の奉仕活動・イベントの情報を多く載せている。また、市政の現状,取り組み,市長の姿勢と活動もあり分かりやすい。子ども達や市民活動がふんだんに載っているので、読みたい広報だと思う。安芸高田市の魅力を市民に届けたい思いが強く伝わってくる広報誌である。

広報「あきたかた」2024年3月号市政の動きによると・・・「議会だより」第75号の一般質問の答弁が正確ではないと執行部から問題提起。答弁内容が議事録から外れ具体的部分が省略されていると、意見を申し入れた経緯が書かれてあった。議長からは議事録通りではないことを認めたが、虚偽とは言えないとの回答。それ以後、充分内容についての話し合いが進まない状況。執行部として正当な記事(議事録に沿う)が望めない状況では当初予算に「議会だより」の費用を計上出来ないとのこと。さて、今後はどうなるのだろうか?

ことは2022年9月定例会の先川議員の質問。市長に対して、国県への陳情要望活動の実態を質問。「議会だより」には「それなりにやっているが、これはむやみにやっても意味がなく適宜適切に行っている。」と、市長の答弁を記載。しかし、議事録には正確な要望の件数が発言されており、結果は前任者より遥かに石丸市長の方が年間件数は多い。「交代前は年16件,17件。石丸市長就任後の丸ごとの年は22件。今年はまだ5カ月だが既に15件。」実態を表すには何かと比較するのが分かりやすく、前任者との違いを記載すべきである。実態を質問したのだから、具体的件数を答えた。正確な数字を載せるのが一般的と思う。先川議員の質問箇所には充分書き込みのスペースはあるので、恣意的に具体的な数字を省略していると思われても不思議ではない。前任者より強気で活動的な市長だと知らせたくなかった?広報誌に記載された議事録を見る限り、市長の憤慨はもっともと感じたが、皆さまは❔

安芸高田市議会の傍聴(2024年2月26日)

安芸高田市は、人口24.954人(人口の平均年齢53歳)65歳以上の人口率40%。位置は広島県北部、北は島根県に南は広島市に隣接。面積は537平方キロメートル。2004年に高田郡6町の合併により安芸高田市が誕生。戦国大名の毛利元就の本拠地で、郡山城があった。合併20年を記念し市のキャッチフレーズが「百万一心未来へつなぐ安芸高田市」に決定。これは毛利元就の言葉を引用。「一日一力一心」をつなげている。現在は今年8月で任期満了となる石丸伸二市長が市政運営の舵を取る。この3年半石丸市長は、行財政改革や議会の在り方を、歯切れのよい答弁でネット配信により注目されてきた。目標のひとつが安芸高田市を広く知ってもらうこと。この事はYouTubeチャンネル登録者数が自治体として日本一を達成し、この広告収入とライブ配信で昨年12月は185万円の収入。1月は214万円で、5ヶ月間合わせて827万円となった。知名度が上がればふるさと納税も前年比1.2倍と、応援による収入は期待以上に大きかった。                                 石丸市長の発言は、厳しい財政運営を本気で改革する有言実行であり、公約通り未来のための着実な一歩を日々進めている。今まで首長と議員の間には追認機関とみられるような議会審議が見られていたため、石丸市長に代わってから、議会は真剣に学ばなければ太刀打ち出来ないような状況になっている。その歯切れのいい答弁は、議会の使命とは議員の責務とは何かを問いただしていて、SNSで議会運営を見る人たちの間で徐々に注目を浴び出したのである。石丸市長の進取果敢に市の未来を考える姿勢には熱量や強さが感じられ、益々政治に関心のなかった人々にも受け入れられる様になってきた。多くの首長や議員からも反応があり、講演や対談(有名人)での出張(オンラインも含め)にも公務に支障がない限り受けているようで、かなり忙しい方である。                         トライアスロンやマラソンは趣味でもあり、国内開催のイベントに参加している。これも安芸高田市の知名度アップに貢献している。近くは東京マラソン、そして徳島マラソンにもエントリーし、来県予定である。タフでなければ首長は務まらない。

 

     令和5年度の補正予算審議    審議は可決となる 

安芸高田市は合併となり、年間運営予算はおよそ200億円。その後も全体人口が年々減少となる現状は変ることはない。2020年に就任された石丸市長は合併時策定された「公共施設等総合管理計画」がほとんど進展していないため2022年に新たに改訂し、それに沿って市政運営を進めている。この施設廃止スケジュールが動きだすと、個々の事業に対して批判の声が上がることもある。一部議会議員の審議に臨む態度に厳しい評価を下す市長と、対抗意識を露わにする議員たちとの対立構造が出来てしまった。その中で、今回の審議の質問で熊高議員の質問気になった。

産業部(地域営農課)・・・農業用施設の災害復旧工事の減額費用についての質問。3000万円減額の内1200万円は工事が中止になった。その理由は、市側の不手際だと噂が流れ市民は信じているようだ。事実はどうなのか? 答弁=令和3年の豪雨災害で、一部壊れた部分の復旧工事を国の査定を受け認めてもらう。いざ工事を開始し解体するとコンクリートの中身は土砂だった。このまま一部を工事しても強度に問題が残るため、充分に維持するには補助を受ける国県と水利権のある受益者たちとも、改めて強度について協議しなければならなくなった。結果、頭首工の全体を工事することになり、今までの費用よりかなりの予算増額になるが受益者の方にも理解を得る。設計変更で新たに申請しなければならないため、いったん中止としたことは受益者の方には十分了解を頂いている。変更工事は新年度になるため、田植えも近い今、応急処置として仮設の対応(土嚢積み)はしている。 その後、市長から「そのうわさは私も聞いています。ある市議が(現場地域で)言われていると聞きました。今日この場(議場)で市民の代表(市議)に伝えましたので、(正確な)周知の徹底をお願いします。」と答弁あり。

傍聴者意見=補正予算の審議は議員にとってとても重要な仕事です。質問者の顔ぶれは熊高議員,田邊議員,南澤議員が何度も深堀(算定根拠や原因,疑義等)の質問をされていました。金行議員は2回。あと、山本数博議員,宍戸議員は1回ずつ。反市長派と言われる市議の質問はほとんど聞かれませんでした。住民が問題や課題を知るのは、議会での丁寧な議員の質問によります。議員がどんどん質問をしてこそ住民は行政知識が増えます。そして議会終了後、議員の議会報告は必須です。一般的に紙媒体が多いと思いますが、石丸市長のSNS動画配信の大きな影響力を知った議員たちは、SNSを使った議会報告(一部議員)を行っているようです。議案予算審議は議員としての重要な仕事ですが、議会で決まったこと発生した課題を住民に報告することはより重要な使命です。その報告により住民の声が伝わってくるのではないでしょうか。補正予算でありながら、傍聴席が埋まるくらいの傍聴者数には驚きでした。一般質問になると、傍聴室に入れなかった市民は別室のモニター室での視聴になるようです。傍聴室には、予算議案書(閲覧)が報道陣用と一般傍聴者用が4冊ずつ置かれていました。傍聴者にとっては大変うれしいです。

上板町議会の傍聴(2023年12月15日)

日程 議案審議・閉会  

一般会計補正予算1億2100万円(農業従事者支援事業、社会福祉支援事業など)のうえ追加予算1億9663万円(住民税非課税世帯7万円給付、地域商品券1人5000円)。給付金事業は全て国費を充てる。価格高騰重点支援追加給付金として1億1823万円の国庫補助金。議会の可決を受け、閉会後から事務手続きを始める。非課税世帯は1600世帯ほどあるようだ。来月末までには受け取れるよう進めていく予定である。地域商品券については令和6年2月1日に住民登録している者を対象に3月中に発送する予定。およそ1万1,400人を見込んでいる。

傍聴者の意見=「読み上げるだけで議会閉会されると私たちは何も分からない。議員から活発な質問があって議論してくれんと、しんどいなあ。」との声があった。読み上げる説明さえ理解できない。問題を提起するのは議員の質問なのだ。上板町議会の良いところは、補正予算は委員会付託せず、本会議で議論出来ること。議会は住民のために行われ、住民に分かるような公開の仕方を考えて行かなければならない。執行部局と議員の議論から、住民自身が問題点を知り考えていくことが出来るようになるのである。付託するなら委員会の傍聴が出来るよう議長は取り諮る話し合いをもってほしい。また、登壇者の説明が理解出来るよう手元資料は傍聴者への当たり前のサービスであると思う。会に出席すれば何等かの資料を頂けるのと同じように、議会改革を進めているのなら傍聴者の意見を積極的に受け入れる姿勢を持って頂きたい。出来ている議会がここそこに実際にあるのだから。議員自身が改革の壁になってどうする?

 この時期は議会が開かれ、新聞記者もその状況を記事にするため、日々県市町村の議会を傍聴し幹部職員に取材をする。12月16日「藍がめ」、阿南支局の吉田記者の記事。行財政運営に関しては新聞報道の掲載に順番が発生し、その楯になっているのが議員であるという。 知る権利に答えよ 」 と題して書かれていた。住民代表の議員が、どの様な予算の内容を執行者側と議論するのか。議論する前に、住民が新聞で内容を知ることが出来れば、住民の意見が議会の議論に反映されるのではないか。本当にそう思う。新聞記者も行政と戦っていると感じたコラムだった。

石井町議会の傍聴(2023年12月15日)

日程 一般質問・議案審議・閉会 

一般質問(12日,13日,15日)議員10名

(井内清二議員・平野忠義議員・武市奈見子議員・川端義明議員・坂田桂議員・谷雅史議員・大西隆夫議員・有持益生議員・井上裕久議員・山根由美子議員)

この日は山根議員のみ。石井町議会の一般質問通告書は議員本人が作成したまま(手書き・パソコン)の用紙をコピーし1人1ページを使い5枚の用紙で提出されている。特に手書きの通告書には議員個人の人柄が見え面白い。全ての議員の一般質問を聞いてみたかった。もちろん、通告書には答弁を求める相手が記入されていた。3名の議員が町長を答弁者に指名していた。上板町議会同様、質問議員は多い。 

山根由美子議員・・・●子ども医療費助成制度 ●第9期介護保険制度 ●重点支援地方交付金について ●高齢者の移動支援の進捗状況 上板町でも医療費無料化を訴える議員がいる。医療費自体は無料でも毎月のレセプト代が600円かかるので、そこに予算を充ててほしいと質問。担当課長答弁は「来年度から県が高校卒業まで子ども医療費の助成をすることになり、現在町独自で支援していた助成金が浮くので町内7保育所の給食を無料化する事業に充てる。」と、新たな予算を発生させることは現状計画にはないと答える。しかし、幼児の給食費の自己負担なしも子育て世帯には有難い。

議案審議=提出議案書は傍聴者の手元にあり、議案番号を言ってくれるとページをめくり内容をすぐ理解出来る。本当に分かりやすく有難い。審議に入ると、提案理由は既に開会時に説明したため、すぐ質疑に入る。今回の審議の中で、唯一異義が出た議案について。議員と特別職(町長,副町長,教育長)の期末手当引き上げについて。質疑の時点で坂田桂議員が反対の意見を述べた。他の議案・予算は異議なしで全て可決となった。以下に発言内容を記す。

坂田議員=「人事院勧告により」と、報酬や期末手当の引き上げ時には通例として言われる言葉であり、国の人事院は国家公務員に対して給与や勤務時間などの改定を勧告し実施するよう要請したものである。それが地方自治体にそのまま当てはまるものではないと考える。参考にするのは民間企業の役員手当により国は定めているのではないか。石井町という町の経済状況を、現状を知り住民の生活水準と照らし合わせて決定していくものではないだろうか。主体的に考え、条例改正も各々の議会に諮って承認されるものであるからこそ、国家公務員に定められたものを地方公務員が同等に出来るものか、よく考えるべきである。議員-特別職の手当引き上げには反対である。 

町長答弁市町村で人事院という行政委員会を持っているところはないと思う。民間給与を調査することは物理的,人員的にも負担が大きく、県の人事委員会による調査結果を参考に、指示があればそれに従って進めることになる。手当引き上げの改定においては行政から独立した専門中立的な機関においての適正な改定であるため、今回の条例改正を認めていただきたい。

傍聴者の意見=議員の主張は堂々として、聞いてうなずける意見であった。(書き手側の)言葉は正確ではないかもしれないが、発言の主旨は間違っていないと思う。段々と物価高騰の厳しさが増す現状があるゆえ、国から臨時の高額交付金が入ってくるのではないのか。現金のばらまきといわれても、いつまでも国からの交付金をあてに地方自治体は予算追加を組み続けている。これがボーナスを上げても良い状況なのか。していることに矛盾がある。なので、議員の反対意見が出たのは拍手を送りたい。また、町長の法的、規則に則っての説明にも組織として運営していく以上払うことの出来ない理由も分からないではない。しかし、理路整然と発言される町長の姿勢もまた流石と拍手を送りたい。感心して聞いていたので町長発言はほとんどメモ出来ず、正確さに欠けるので上記の文章しか書けなかったこと残念に思う。この議案についてのやり取りが聞けたことは傍聴者にとって大きな収穫だった。この採決は、坂田議員に山根議員が賛同し、起立採決で11対2。(残念ながら)この議案は可決となる。

北島町議会の傍聴(2023年12月14日)

日程 一般質問 議員5名 (佐々木紀子議員・増谷禎通議員・梶哲也議員・板東泰史議員・夷谷大輔議員) 

北島町議会は藍住町議会と同じく質問の相手を通告書に記載出来る。もちろん町長に対しても求められる。午前中2名の議員の質問を傍聴した。佐々木議員は全ての答弁を担当課長に求めていたが、増谷議員は町長と担当課長に答弁を要求していた。しかし結果、増谷議員の質問にも全て担当課長が行なった。ただ、ひとつ議員が町長に答弁を求めた時、副町長が手をあげ「私が答えよう」と笑顔で登壇し「言われた通り、フラワードームに喫煙者の為の喫煙場所を設置しよう。約束する。」との一幕もあった。

佐々木紀子議員・・・●交付金の使途 ●不妊治療の助成制度 ●教育現場の課題 特に重点支援地方交付金」の活用についての質問は他の議会でも質問する議員は多かった。具体的な事業として、学校給食費の補助、また置き配や映画チケット支援を考えてはどうかと提案。給食費は現状2分の1を補助している。交付金4500万円は年度内に使うが、具体的事業はまだ未定で検討中。」と担当課長が答弁。 

増谷禎通議員・・・●新型コロナワクチン接種について ●農地転用問題の経緯 ●まちみらい課のあり方 ●フラワードームに喫煙所設置 ●教育現場の現状 ●保育所内での事故対策 ●再生可能エネルギー策定事業の進捗状況 議員が多くの資料を準備し力説した「農地転用問題」が印象に残った。協議会に提出され承認した農地転用の内容は1企業だった。しかし、いつの間にか用地が2分割され、2つの企業が既に用地整備を行なっている。変更があったことを報告せず、議員の怒りが質問となったようである。承認していない内容について反対しているわけではなく、変更したことの報告を怠った怠慢を責める質問であった。課長は報告責任を問われて、最終謝罪答弁となった。

傍聴者の意見=この報告責任の怠慢。事業を進めるにあたっては全ての流れがいつも関係者に情報共有出来ることが求められる。横のつながりが出来ていれば、事故が起こっても原因が早期に改善されやすいし、事業の進捗ははるかに早くなる。議会でこの様な質問が出ること事態、事業に影が差すことになる。これこそ最終は町長の見解と責任を求めるべきではなかったかと思うが。今日は傍聴者が多かった。北島町は議会モニターが傍聴するので、モニターさんかと尋ねると1人元県議会議員だった方が来られていた。馴染みの議員がいる議会を引退後に傍聴しに訪れているという。上板町には来ていないかなぁ。あとの3人はモニターで、自分の空いた時間を使って傍聴し、議会に対して意見批判などの感想を伝えるようである。話をして気になったことは、視点を変えた情報発信(議会中継・ネット配信・住民との交流会)を色々しているが、議会の議事録が原本でなく、要旨をまとめた文書になっていることを気にしていた。それは確かに私も気になった部分である。

 

上板町議会の傍聴(2023年12月13日)

一般質問 2議員の質問(13日の午後に傍聴)。この時、村上議員・鈴木議員の2人が体調不良のため欠席。議会は10人の議員で始まった。

前田忠道議員・・・幼稚園の外国語教育、一問だったので15分ほどで終わったが、印象に残ったのは答弁。令和5年11月15日付けで新たに就任された和田敏孝教育長が答弁された。教育長は長年学校教育や県職員として携わってきた経緯があり、最終は地元上板町東光小学校と神宅小学校の校長を務められた。幼稚園の園長も歴任されたため、英語で遊ぶ幼児を実際に見てこられた答弁は清々しく感じた。問題を抱えていた東光小学校を生き生き元気な学校に変えてくださった前例を私たちも見ているので、大いに期待したいと思う。子ども達の相談にも丁寧にお付き合いしてくださる校長先生だった。

上原勝利議員・・・9月の町議会議員選挙で無投票であったが、当選を果たし初の定例会で一般質問に臨んだ。3つの分野の質問を1時間ほどかけて追求した。一番感心させられた質問は、固定資産税の問題。減免の特別措置法が解除されてもそのまま20年間修正なしで納税した対象住民。この事が発覚した昨年6月末には、一転して税金滞納者になった。12月には多額の滞納額を請求する通知が突然自宅へ送付。事前の理由説明もなく住民は混乱し役場窓口に日々詰めかける事態となった。この問題の原因と過程を質問。税務課長答弁「当時の文書が保存されておらず、経緯も不明」「家屋の減免措置の効力が失効する時点の事務処理が上手く取り扱い出来なかった」「当時の税務課では何らかの決め事はあったと思う」「重大な錯誤による価格には修正が認められているので、12月に通知書を発送した」職員の不作為」で重大な錯誤は発生した。しかしこれは「行政の不作為」だろう。税務課長最終答弁「多大なご迷惑をおかけし申し訳なく思う。今後は信頼を回復するよう丁寧に職務を遂行していく」と謝罪をした。

傍聴者の意見=この謝罪は課長でなく、町長が言うべき言葉ではないか。税金滞納者を発生させた責任はないが、その後の事務処理において説明もなく突然多額の請求をかけた処理方法で、住民を混乱に陥れた責任はかかってくる。町長が判断してそのような事務処理が行われたのだから。住民の混乱を引き起こした責任は町長にある。昨年6月末に発覚。12月に多額の滞納を請求する通知を送付するまでに、説明責任を果たす時間は充分作れたはず。町長自身が担当職員と共に対象地区へ出向いて行くべきだった。おそらく担当窓口の職員も日々追い詰められた住民からの批判に相当辛い業務になったと思う。今回求めた答弁は、「原因と過程」そして最高責任者からの真摯な謝罪の言葉。町長はご自分の仕事が何か認識されていないため、運営のどの部分で責任が発生したのか理解出来ていないのだろう。議員が視点を変えながら「原因と過程」を追及し、「この答弁では納得出来ない。同じ答弁の繰り返しで過程が見えない。」答弁に憤りを抱えた中で、議員は理不尽と思われる町長の行為が頭に浮かび「滞納の職員に町長自ら呼び出し、町長室で支払いをするよう促したと聞いたがそれはパワハラに当たるのではないか。」この再問に表情を変えた町長は席を立って税務課長のところへ駆け寄った。「通告外の質問」(関連質問だろう!)と議長は答弁無しで進めようとしたが、町長は「いや答える」「職員であるならなお更、請求に対しては早期に支払うよう注意をした。それは事実だがパワハラと受け取られては。」議員の追及もそこで終わった。しかし、住民に対して滞納の徴収を課長以下担当職員が行なっているのであれば、職員に対してのみ町長自ら町長室へ呼び注意説得することは部下にすればかなり圧力のかかった状況に追い込まれたと思う。公平さを欠く注意は、明らかにパワハラである。この問題がとてもデリケートなだけに、他の滞納とは訳が違うことを心に刻むべきである。行政の不作為から発した、特別な意味を持つ滞納である。本当に払えない住民と共に、原因を知るためにその職員は払わないことで戦っているのかもしれない、と思えてきた。それは、議員の質問が本当に住民の立場に立った「叫びの訴え」だったからである。町長は職員と共に「原因と過程」を探るため最善の努力をしているのだろうか。町長室に呼び出すのなら15~20年前の担当職員ではないのか。議員の質問にあったように「この滞納が公になるきっかけを作ったオンブズマンはどこから情報を取ったのか?」には答えはなかった。傍聴席では、確かに聞き応えのあった一般質問だった。

「現在、窓口で説明を受け理解していただきながら3分の2の方々が支払いを完了している」と課長の答弁だが、支払った3分の2の方々も疑問点を知るため何度も役場へ通ったと聞いている。「納得出来たからではない。理不尽な支払い方をさせられる思いは残るが、住民の納税義務は果たさなければ。」と支払いを終えた住民は言われていた。

 

上板町議会の日程

日程 12日開会,一般質問、13日,14日一般質問、15日予算審議 

議員12人=坂東泰幸議長(51歳)  鈴木幸三副議長(54歳)  議員の平均年齢70歳 

2023年4月 人口11.400人(有権者9.766人) 

議会の議事録はHPの公開なし。議会事務局で閲覧の申請をしなければならない。議会の報告は町の広報に議員の一般質問を掲載しているだけで、大切な予算の審議内容、決定の過程、結果を分かりやすく掲載することが必要と思う。

 

上板町第4回定例会の一般質問 

①岩野議員=●住みやすい、住み続けたい町づくりについて 

②富永議員=●高齢者の移動支援の状況と今後 

③柏木議員=●重点支援地方交付金の推奨事業の選択 ●子ども医療費の無料化 ●学校給食の無償化 ●パートナーシップ制度の導入 

④本浄議員=●町立体育館の建設 ●図書館の利用の現状と今後 ●高齢者の移動手段について ●「勤労青少年の家」取り壊しで契約外の問題発生について ●上板町文化祭のあり方 

⑤前田議員=●幼稚園の外国語教育 13日午後に傍聴)

⑥上原議員=●固定資産税で税金滞納者が発生した問題について ●七條地区農業集落排水事業の予算と今後 ●新ゴミ処理施設の進捗状況と今後 

⑦乾議員=●低所得世帯向け給付金配布時期 ●火災、水害対策の現状 ●建設工事の入札制度について ●新ゴミ処理施設の進捗状況への町長見解 

⑧吉岡議員=●中学校柔道部室に冷房機設置 

⑨安田議員=●住民の健康増進対策 ●職員の喫煙について ●中学生と行政・議会の関わり ●フードドライブ活動の今後 ●上板町文化祭のあり方。