上板町議会臨時会(2025年8月25日)

上板町臨時会(2025年8月25日)

開会後すぐ小休に入り、全員協議会(45分間)をする。傍聴席は満席。すぐ始まらない議会に住民は「また長いんか」「開始10時は守ってもらいたいなあ」「10時までに話し合っとたらいいんでないか」等の声あり。

開会後、執行部の説明は省略。すぐ質疑に入る

鈴木議員=組合構成が1市1町となるが、今回は1市2町の予算のまま。この金額を認める事で、新ごみ処理施設計画が進むのか?課長答弁「事業を進めるには、事業継続が確定することが前提にある」「1市1町の積算に付いては縮小しての計算で、現状でいつ予算計上できるかは言えない」 

本浄議員=4800万円の支出内容?補正予算の重み、施設完成に期限がある?(答弁に小休がかかり、村上議員が町長席まで出かけていく場面あり)課長答弁「工事については予定地2万5000㎡の内2万㎡が建屋、後は緑地。ごみの受け入れ年平均1万4千t(1日約40t)。全体予算92億8000万、交付金26億7000万、地方債55憶、一般財源10憶の上板町の7年度の負担金」町長答弁「事業に遅れが発生しない様予算を認めて頂く事が重要。ごみ処理の運営コストは高くなる。1/3の交付金があり、それを除いたうち50%の交付税措置がなされる。現時点では三豊市を参考にしているが、業者の選定、リサイクル燃料等によって変動があり運営費はまだ未定」

その後討論

乾議員(反対)=建設費85憶の積算根拠なし。施設建設予定地25年間の全体費用6億4500万円は高額。処理方式は全国初となり、運営方式と経費は不確定。問題点が多すぎる。金額に妥当性がなく審議に必要な情報が不足しすぎている。

鈴木議員(賛成)=予算が認められれば交付税の負担軽減。反対すると遠距離搬送は続けられず、阿波市単独となる。広域行政は歴代町長が進めてきた構成であり続けていく事が必要。

柏木議員(反対)=広域組合は必要であるが、問題は処理方式と予算にある。新ごみ処理方式の流れの中で、リサイクル原料の受取り先が未定ということ。現在の予算のまま進める事は上板町にとって大きな負担が生じる。今立ち止まり、92憶は見直す事が必要。 

吉岡議員(賛成)=否決する事で、阿波市から脱退要請がくる。違約金が発生するだろう。阿波市との関係を切る事は、ごみ処理とし尿処理事業は自力で運営することになるのでは。一緒に運営する事が大切。

上原議員(反対)=吉野川市が脱退し、続いて板野町も、これが何を意味する。運営の経費は未定で再度の質問にも説明なし。先の読めない分、追加コストの不安。建設費は2020年から39億~73億~そして93憶と高額に。理由は物価高騰による増額、中身の説明が十分でない。予定地は、買取りからいつの間にか賃貸借に、これも詳細なし。不明な部分が多すぎ。

本浄議員(賛成)=組合で20年間やってきて、新施設が出来るまでの2年8ヶ月の遅れは36憶かけて山口県まで搬送。今回の予算、反対すれば阿波市単独の意見もあると聞く。18年前は松尾町長のもと、し尿処理までお世話になりお付き合いが継続する関係性を大事に。  

討論終了し採決

起立少数否決となる。11時半閉会。

賛成議員・・・村上・本浄・吉岡・鈴木・安田

反対議員・・・柏木・上原・岩野・富永・乾・前田

傍聴者意見=討論は6人が発言し、熱を帯びていた。賛成議員は質疑も討論も阿波市との関係を断ち切る事が、最悪の状態を招くという主張だった。切り難いつながりだけを強調し、どの様な既得権を守りたがっているのか、議員に対し不快感が残る討論だった。組合構成自治体の中で対等さが全くなく、上板町は従わざるを得ない格下の立場であると強調している。反対することは脱退を意味をし賛成を投じさせようと、威圧感満載の賛成討論だった。まさに提案内容の中身の審議でなく、理不尽でも組合のつながりを守る既得権保護の考えで、逆に断ち切れない関係性を疑う。議会の存在、責任感、議員として町の財政を守る使命感を忘れ、審議内容から外れた発言で議会に臨んでいた。

 多くの傍聴者は賛成議員に促されて出席されていた。議員と目配せしたり、そうだと大きくうなずき傍聴。閉会後に隣の男性2人が「否決したぞ。さあ明日から、しっかりごみ出ししとかんといつ回収が止まるかわからん。受け取ってくれるとこないわ。」というので「ごみ回収は自治体の基本の仕事。日々回収車が来てくれるし、組合と契約している期間は受取りを拒むことはない。」「2年8ヶ月は山口まで、過ぎれば町独自で民間委託という選択もある。」「計画と予算に問題があれば反対する、議会では当たり前の事。」と言い返したが、男性2人はごみ回収が止まる不安を掻き立てる情報が入っているようだ。私から離れると再び「ごみどうなるんだ、ごみ屋敷になるぞ。」と大きな声を上げて傍聴室から出ていった。

 議会(行政運営や予算について)の審議は賛成か反対かのみ。納得出来ないものに反対するのは議会議員として当然の意思決定である。それで町の将来が決まる。住民も議会が持つ議決権の重さを理解する必要がある。今後、執行部が否決を受け、どう判断するかである。提出された方式と予算について、どの様に組合と対するのか。脱退という道もあるが、反省し見直すのか、そのまま否決されても進めるのか、あくまで首長の権限である。脱退は最終判断。まず、処理方法の変更が必要でないかと思う。これは上板町だけでなく、阿波市にとってかなりの損失が出る方式で、再度、調査・検証すべき。阿波市もそう大きくない自治体である。新処理施設の遅れより、はるかに問題は大きく、将来に渡り自治体に重い負債を背負わせる事になる。首長と議会の意思表示がねじれる事は有り得る。自治体に適切な方向に進んでもらうために、住民から出来る範囲の活動を起こしてみようと思う。

上板町議会議員に対して臨時会において審議の問題点を訴えるno,2

上板町議会に住民有志が臨時会の課題を訴える(2025年8月19日)

 上板町議会議員に対して「臨時会の審議」に問題点を訴えた住民有志が、新聞報道されました。上板町代表として喜多啓二氏と、3名の住民(板野町も含む)が中央広域環境施設組合の新ごみ処理施設に関する確認・質問を10項目列挙され要請書を提出しました。

 審議の場では要請書の内容を吟味され、結論を出される様対応を迫っていました。提出された喜多氏に直接伺い、問題点と議会に求める対応の概略を公表します。

1)板野町の組合脱退への受け止め=議会では全議員が賛成し、可決したこの結果。

2)新ごみ処理施設の建設費高騰=人件費・資材の上昇でなく、算出根拠を詳細に。

3)建設予定地を購入から賃貸借に変更=造成工事に5憶円かけ終了後返却+借地料。 

4)公設民営から公設公営に変更=2023年10月変更時に具体的説明無し。     

5)山口県萩市焼却場への搬送処理費37憶=高額運送費、遠距離搬送でない選択肢は。 

 8月15日の全員協議会を傍聴しての疑問点。計画や予算に反対する議員たちは「20年間の運営費未定(リサイクル原料の供給先未定・残渣の量未定)や組合側の誠意のなさ」を具体的に主張。組合側の提出予算に賛成する議員たちは「予算反対の議員に代替え案と事業説明不足の職員への配慮を求める」抽象的な感情論を主張。

 以上のことから

★十分な回答を求める姿勢が議会議員に不足していなかったのか。

★事業運営の中心である組合議会の機能が、正常に働いていなかったのではないか。(上板町代表として町長・副町長・担当課長・議長・副議長が出席)。適切な発言・質疑は?

二元代表制をしっかりと発揮され、正しい批判と監視機能を持った議会として議員は判断していただきたい。予算案が否決されれば、新たな代替え案を行政側が示すことで役割責任を果たす事になると思われる。

★上板町の判断については、1市1町では本町負担は重い。将来の確実な人口減を見据え、上板町の規模を考慮すれば、子や孫に大きな負担を負わせない選択を考えるべきと思う。決断すべき時。予算が決まっていない今だからこそ、脱退の決議を要請する

★今後、財政を守る取組みとして、ごみ減量化に向けて住民にも呼びかけ、上勝町の様にごみ分別でリサイクル原料を増やす必要があると思う。環境に優しい町つくりを行政・住民共に働きかけていただきたい。

_____________以上、訴えの概略です。___________

私たち「上板町の未来を考える会」「新ごみ処理施設計画を憂慮する住民有志の会」以外に「新ごみ処理施設建設計画」「遅延した3年間の県外処理搬送事業」に関心を持ち、議会に判断材料を提出された住民団体がいた事に大変心強く思いました。議会の意思決定に影響を与えるのは、選ぶ側の有権者の明確な意思表示なのです。上板町議会の全協が始まる前に、名前も書いていない、出所の分からない抽象的なビラを配布する方たちがいましたが、全く価値がありません。堂々と誰が何を訴えどの様に考えて欲しいのか、賛同が必要ならばしっかりとした印刷物を発行するべきです。今回の要請文書は勇気のいる活動ですが、うなづいてくれる人たちは多いと思います。私たちも大いに刺激を受けました。共に学び、上板町の未来のために行動を起こしましょう。

上板町議会全員協議会no,2

上板町議会全員協議会②

傍聴者の意見=開会前に、先入観を持たせる内容のビラを配布したのは、組合側に賛成の立場である議員の策略である。全協前に議員が町内に何百枚か配られたようで、傍聴者の中に配っていた側の住民もいた。書かれていた内容が、新ゴミ処理施設の計画や予算などの具体的なものは全くなく、感情論だけの思いしか書かれていない。今回の計画や予算に反対する議員に対して、不当に非難し、根拠のないでたらめな状況を印象付けるいわゆる誹謗中傷したビラである。今、SNS で盛んに止めるべきだと言われている行為そのものではないかと思う。なので、素直に「いらない」という発言は当然であるし、それに対して威圧そのものの言い方は傍聴に参加した住民に失礼で、明らかに傍聴規則に反した行為であった。問題自体が、賛否を問う事で自治体間の関係が大きく変わり、運営に影響を与えるための話し合いである。傍聴者が思いを爆発させる場ではない。協議中の議員を攻めても、議員は傍聴者に返答出来る場でもない。規則は守って傍聴すべきである。

 その後、各議員が意思表示について主張していった。賛成議員は好き嫌いの感情だけで、今までのお付き合いから断れば失礼極まりないという思いが強く、計画や予算が本当に事業として適正に成り立つものかという証明はまったくなかった。特に、表れていた議員は村上議員の少々嫌なことがあっても」、本浄議員の色々小さな部分には問題がある発言また本浄議員は、行政を審議するのに相応しくない言葉温かな目でを使った。住民の大切な予算はいい加減な監査で審議して欲しくはない。議員必携にもあるように、議員は行政に対し、正しい批判と監視を任されている住民代表なのである。合併を選ばなかった上板町は厳しい財政であることを承知の上の行政運営をしなければならない。近隣自治体とは強固な信頼関係が必要で、あらゆる災害においても協力体制を相互に整備することが求められていると思う。その点は充分に協議し、あらゆる事態において連携出来るよう進めていくのは当然であると思う。

 しかし、事業に対する計画や予算は多くの情報を収集し適正な判断・審査は当たり前。安易に妥協して済む問題ではない。お付き合いのある自治体にも、同様の損失を招く恐れが充分にあるための指摘なのである。問題点の指摘は妥当な議会審議である。今回の最大の問題は計画のずさんさ。それゆえ20年間の運営費さえ提示できない。執行部の曖昧な進め方で、気づいていない計画の認識不足を、明確に具体的に問題点を指摘するのは議員の使命である。反対議員の指摘部分はもっともな事でもっと真摯に見直す事が重要である。乾議員の情報収集力は丁寧だと感じたし、岩野議員・富永議員の具体的な指摘は組合側にはっきりとした答弁をいただきたい。感情論での揺さぶりが、事業推進の心髄である様な言い方に説得力はなかったと感じたが。

 

上板町議会全員協議会(2025年8月15日)no,1

 上板町議会全員協議会(2025年8月15日)①

 全協には、約70人の住民が傍聴した。場所は公民館。町議が次々と着席しだし、最後に村上議員が協議会場に入ってきて、端に座った男性に声を掛けた。その男性が、黄色のビラを傍聴する住民一人ひとりに、前から順に1枚ずつ配布し出した。その時、ビラを貰ったある男性が大きな見出し文字を見て「私には必要ありません」と言ってビラを返した。とたん、配っていた男性が「おまえ何しよんじゃ!」と会場に響く声で怒鳴った。議会事務局の森さんが局長に相談し、議長に耳打ちされた。議長から「そこ今、何を配っているのか。今日の傍聴席での規則は守ってもらう。野次暴言、周囲への行為などは認めていないので、すぐに回収する」と注意が飛ぶ。事務局の連係プレー素晴らしいと思った。(ビラには、採決の反対でゴミ問題今後はどうなる。反対議員は代替え案を持っているのか、ゴミ処理施設の遅れが住民のゴミ回収に困難をもたらす、お世話になっている阿波市との間にヒビが入って、し尿処理も止められたらどうする等が記載)

 

〇開会宣言で松田町長の挨拶=新ゴミ処理施設の計画予算案について、板野町議会は町長の脱退宣言を賛成する決定をされた。しかし、私は国からの交付金が受けられる広域処理での組合運営が、町にとっての最善の方法と考えている。今日の協議会では議員の皆さんにはそのことを踏まえて予算案について話し合っていただきたい。と言った後、公務により退席。議長より、各議員の予算案に対する意見・主張を順次述べるようにと提案。議席順に述べる事になった。

1,柏木町議=傍聴の皆さん、町長や課長の説明で分かるか?多くの傍聴者に審議する内容が理解出来る様、資料提供が必要と思う。昨日の町田市長の発言で、板野町の脱退を受けゴミ搬入が減り、規模の縮小で建設費の見直しが必要とある。臨時会で示される額は再検討の額か、そのままか。そのままなら反対する。

2,村上町議=反対する議員は代替え案があるのか。阿波市との良好な関係にヒビが入ったらどうする。少々嫌なことがあってもお付き合いは大事に。もし脱退したらどうなるかよく考えるべき。否決する事は、脱退の意思表示と見られても仕方がない。

3,上原議員=上板町も施設予定地を阿波市へ提案したが、すでに決定と言われ不快だった。吉野川市脱退に続いて板野町脱退も決定。組合の運営に問題あり。1500万円のコンサル委託業務の結果にも不信感。賛成議員の意見は抽象的で挑発的な態度である。言わせてもらうが、我々は民間企業や他の自治体へも情報や検証を行い、代替え案は備えている。今のままの計画や予算案には反対。予算の否決は脱退につながる。

4,本浄議員=色々小さな部分には問題があると思う。この事業は日程が決まり、他の自治体に頼る状態の上板町は議会でもめている場合ではない。組合からの提案、町長からの提案を否決する事はゴミの処理も、し尿処理も利用出来ない恐れもある。賛成すべき状態で、協力しなければならない。温かい目で見てこの予算案を受け入れる。

5,吉岡議員=施設完成を日程通りに進めていく事。間に合うように進め、ゴミ戦争の様な状態を作らず、協力して行く様に。賛成の立場だ。

6,富永議員=施設予定地がいつの間にやら借地契約になった疑問。ゴミ処理が発酵乾燥方式になると最終段階の残渣はどこにどう処理するか疑問。過程の説明が全くない。組合構成が崩れ、1市1町で見直しになるが、交付金1/3は確定されないだろう。予算反対と脱退は別だが、交付金の問題が確定しなければ広域の意味がない。

7,岩野議員=広域処理は必要だが、将来負担を考えると用地交渉の変更、施設の運営費未定は審議のしようがない。プラスチック燃料の商品がどの位出来るのか、リサイクル処理後の残渣の追加コストはどうなるのか。%にしても今の課長の答と組合の答えとの差異があり、今の説明にしても納得出来ない。現段階の答弁では反対となる。

8,鈴木議員=山口県へ持っていく2年8ヶ月の間に、施設の建設をする事で計画通りに進む。高額だから反対では工事にもかかれない。入札前には言えない事もあり、求める説明が出来ない場合もある。反対議員は組合からの脱退を視野に入れているのか。

9,安田議員=2度の臨時会が流れた事で、住民の心配は今後のゴミ処理がどうなるのか。反対する議員はゴミの行方をどの様にするのか責任を持って欲しいと思う。

10,乾議員=建設費の財源となる交付金は法的に適正か。予定地の借地は環境場所的に破格値過ぎる。20年間の運営費が未定。発酵乾燥した燃料の受け入れ先も未定。この方式自体が自治体では全国初の導入になるため、環境省でも取り組みに対する認識が不充分。他の自治体の算出から見ても、建設費+運営費で200憶にはなる。現段階の説明と資料不足からでは審議出来ないという状態が正しいかもしれない。反対である。

11,前田議員=これまでの組合の資料や説明不足の状態からは到底賛成出来るものではない。予算案には反対だが、予算の否決をすぐさま脱退と結びつける考えはない。

 最終に議長から、反対議員には脱退の意思があるのかという質問提案があり、その事についても議員から意見が出された。そして、今後以前からの提案をそのまま臨時会にかけるという確認が行われ、25日の10時からと議長の発言があり全協を閉じた。

板野町議会臨時会(2025年8月8日)

板野町議会臨時会(2025年8月8日)

10時35分~11時5分(30分)

中央広域環境施設組合議会議員の選挙は指名推薦 

厚生常任委員会委員長 松浦昶氏(まつうらとおる)

 

中央広域環境施設組合からの脱退について 

町長の説明=組合から脱退するには、2年前に報告しなければならず、自治体議会の議決が必要となる。その後、退くことを組合構成の各自治体に書面で通知することになる。脱退理由は、新ゴミ処理施設計画が進む過程で、好気性発酵乾燥方式に決定してからの建設費用は増額の一途。36憶から73憶そして今回の92憶。積算根拠が示されないまま最終、説明の資料を求めたが、7月29日提出された内容は0回答であった。その上、運営費が見えない状態では予算計画が成り立たない。脱退後の処理計画は今後決めていく事になる。単独で施設建設という選択肢もある。今の組合の様な運営ではなく、かかる費用は町で試算し、競争原理の働く入札で運営の見える化、町民に明確な説明が示せる選択がより良い方向と思う。

町長の説明に対し質疑なし、討論なし、起立による採決で11人全員が脱退に賛成する意思決定をした。新施設は2028年4月の稼働を予定しているため、板野町は脱退の旨を2026年3月末までに阿波市・上板町に書面を送付することになる。

傍聴者意見=10時開会予定の臨時会。テレビ局(四国放送・NHK?)のカメラ、局の記者たち、新聞記者2名。吉野川市、阿波市から市議の傍聴あり。阿波市と上板町からは一般住民の傍聴があり、全体傍聴者は11人ほどだったか。35分遅れで始まろうとする議場に松浦町議が真っ先に来られ、傍聴席に向かって、足を運ばれ関心を持って傍聴してくれることに感謝の言葉を述べてくれた。いつもに無い事でこちらが驚いた。今回の脱退の採決に関して、彼の鶴の一声があったのではないかと感じた。やけに堂々と晴れやかな態度が見られたからである。周りの議員が松浦議員を持ち上げる様子もあった。これまでの新聞紙面の内容では、例え可決になっても異議なしの採決に至らないのでは、と思わせる状況が記載されていたからである。

 別の視点から、次期町長の東根氏は10人の町議が応援についていた。その東根氏はこれまで通り、1市2町の組合構成で事業を継続出来る案を残す、と選挙公約としてはっきり述べられていた。その案に賛同しないのに応援する町議の思いが分からない。しかし結果は全会一致の可決。議会の意思がねじれている事は事実である。新町長の元、新ゴミ処理施設の白紙計画がどの様に進められていくのだろうか。新ゴミ処理施設の計画については、上板町議会の不安定な現状からも1市2町の議会議員全体の協議があっても良かったのではないかと思う。組合議会自体に不信感があるためである。この取組みは、阿波市議の原田定信氏も提案をされていたが、未だその動きはない。

 さて、組合の管理者である町田市長は、現状の原因を理解しているのだろうか。他の首長や各議員が訴える意見等を軽んじてきた実態が、今露わになってきたと思われるが。次は上板町議会の意思決定が問われる番だ。状況から1市1町となり計画を進めなければならない。今後、計画も予算も将来を見据え、人口減少の現状を踏まえ、明確な情報を収集して適切な判断を下して頂きたい。

上板町議会臨時会(2025年7月31日)

臨時会 13時30分~16時50分 

22日の臨時会が延期され、本日の会議となる。開会後すぐ全員協議会に入り、控室に移動。組合側から管理者の町田市長と職員2人が説明のため出席。その後、議員からの質疑。前回同様、協議会は非公開で16時前までかかる。 町長・副町長と担当職員らが、先に議場に入ってくる。「間もなく開会する」と町長が言われたらしいが、40分以上待たされた。  

16時40分開会 

 令和7年度の新ごみ処理施設整備工事費他の説明 

令和7年度の歳入割合=国からの交付金23%(2億2727万円)

            起債事業費50%(4憶8590万円)

                                      一般財源27%(2億5996万円)

            衛生・清掃費として1市2町の負担金・阿波市1億5777万円

                      板野町5383万円・上板町4836万円  

上板町議会の臨時会は、板野町が組合の構成自治体として脱退しようが、1市2町の構成で計画した予算の上板町負担分の賛否を審議しなければならない。4836万円は建設費・造成費・予定地の賃貸借費の町負担分。20年間の債務負担行為も追加。説明後に村上議員から会期の延長を求める動議が提出される。賛成8人(柏木・本浄・吉岡・鈴木・富永・岩野・安田)、反対3人(上原・前田・乾)で可決。臨時会は8月29日まで再び延長となった。 

 

傍聴者意見=住民の傍聴者は少なく、関心の薄さがもどかしい。しかし、阿波市議会・板野町議会からの傍聴者が、この3時間に及ぶ非開示の協議会待ちをして頂けたことは有難い反面、申し訳なく思う。そして、四国放送がカメラと記者2人を引き連れ傍聴席で構え、町長が議場を出れば徳島新聞記者2人と共に囲み取材を行っていた。その時漏れ聞こえたのは「予算を反対する議員は何を考えとんか。脱退単独でどこから予算出してくるんか。」と、早口で怒りの形相。 

 今回の新ごみ処理施設について、滋賀県彦根市が入る組合では、同様の好気性発酵乾燥方式で処理計画を早くから情報調査をし、実証実験のための委託料決定にまで進んでいた。今年3月に方向性が決定したが、4月に誕生した新市長は計画に反対を掲げていたため、環境省から情報収集した結果、7月には組合議会(1市4町)でこの方式を中止決定したという。

 現在、この処理方式は民間で2ヶ所(全国)、自治体では視察は多いが導入したところはまだない。導入すれば自治体では全国で初めてとなる。それだけ一般家庭はゴミ分別されていないため、質のいいRPFのプラ原料は難しい。「中央広域」では全体ゴミのうち、異物が少ない原料は30%と言われているが、もっと少ないのではないかと考えられる。残りの処理後のフラフ70%は焼却等の追加コストがかかる。業者によって遠距離なら運搬費も追加コストに。実証実験をしなければ割合は確定出来ないが、彦根市ではゴミの現状から環境省の認定がもらえる結果とはならないと実証実験を中止の上、方向転換する。 実証実験は量によるが少なくとも3ヶ月以上、半年ともいわれている。

 なので、具体的に運営費が示されないのは、順序立てて計画していないから。まず実証実験結果がデータ化され環境省に認定され国からの交付金がもらえる。それにはまだ半年かかるのだ。交付金が重要なら、実証実験の委託料が先決事項。処理方式が決まらないとそれに使用する機器類も決められない。再製品化の供給先が決まっていないし、それまでに発生する最終フラフの行き先も決定しないと全体の運営費は見えない。参考例がないため、慎重に進めないととんでもない予算に膨れらがるというのがこの方式のデメリットであるといわれている。なぜ、この処理方式を選択したのか。焼却処理なら比較対象はいくらでもあり、ゴミの量から大体の運営費が示され、全体予算が確実に見えてくる。  

 問題は、この方式に疑問を呈した議員が過半数そろったと聞いていたが、結果は見送りとは如何に。採決してこの予算否決に持っていくことが出来たのに。間違った方向を修正出来るのは議会なのである。住民の税金を効率よく使うのは議会議員の是々非々の監視があってこそである。議決になって取材陣の多さに気持ちが揺らいだのか。反対する事で住民の財産を守る事になる。板野町はトップがそれを選んでくれた。住民が不利益を被る事が悪なのであり、反対する事は悪ではない。そして、重要な代替え案は視野を広げる事によりいくつも見えてくる。それは人間関係の幅と同じである。小さい世界で馴れ合いに浸る事は少数の利害関係者を喜ばすだけで、将来泣かされるのは一般住民である。今回の結果は残念でならない。