ゴミ処理に伴う吉野町住民説明会(2025年5月25日)

出席者=執行部14名、市議2名(三浦市議・松村市議・阿部欠席)、市民15名、傍聴者約8名 

説明内容=現状及び今後の方針・運営について(積替え保管施設・新ゴミ処理施設・周辺対策事業等)

質問者5名(19時~20時50分)

・後藤氏・・・①新ゴミ処理施設の計画について確認事項?局長答弁「地元説明は7自治会を6ヵ所で行い、ゴミ搬入は月から土」②8月からの運営について確認事項?局長答弁「積替え保管作業はジェムカ担当、ゴミ運搬は合同通運。監督するのは組合。1日70t運搬予定だが、量は日々変動」③この3年間の周辺対策事業についての協議?市長答弁「周辺対策事業の協議はしていない」3年間は積替え作業のみなので吉野町だけの対策事業でいいのでは。検討して欲しい。④説明で、3年間の運営について協定書を阿波市と組合で締結とある。阿波市のトップと組合のトップは町田市長、同じ者が結ぶとしたらこんな協定話にならん。住民不在か?住民と協定結ぶのでは?市長答弁「見直す方向で」⑤臭気対策は具体的に?局長答弁「業者から提案されている」市長答弁「ゴミの量は、バックフォーで押え3割ほど減る」⑥規定のダイオキシンをはるかに超え1.4も出したジェムカ事業者の信用は?局長答弁「改善指示の対応はしている」⑦業者が所在する自治体では、萩市とジェムカと組合の3者協定が必要では?市長答弁「申請書は結んでいる。協定書は必要ないと聞いているが、必要かどうか確認する」

兼松氏・・・新ゴミ処理施設の進捗状況?市長答弁「建設地の地権者と賃貸契約の合意を得られた。組合議会の予算待ちである。8月に業者の公募をし、秋に決定すれば工事に係るのは12月頃だろう」

・白川氏・・・①毎回提案するが、説明会の時間が短すぎる。内容をいくつかに分け、吉野土成両町合わせての説明会にして頂きたい。8月まで2ヵ月、急いでほしい?市長答弁「昨日も説明会についての質問があり、内容毎の会となる様考えるので案を提出して」内容別なら7~8位を考えている。例えば周辺対策事業についての説明会等。②周辺対策事業費が3億で済むのか?市長答弁「市と組合を併せて200億。その15%の25億~30億に対策事業が入る」③先ほどの答弁でゴミを押えて減量と。以前は圧縮すると言われた。明らかに違う?市長答弁「圧縮機は大型の機械で、費用も扱いも大変になる」④説明の水密容器(コンテナ)。使用して洗浄すると汚水が出ると思うが?局長答弁「ゴミは萩市の焼却場で下ろし、水密容器を洗浄する。その後阿波市へ帰る⑤情報開示としてHPを活用し、説明会での質疑応答をQ&A方式等で公表?市長答弁「検討する」

・三宅氏・・・先ほど質問された周辺対策事業について。20年間の状況を見ても充分に事業は進んでいなかった。なので遅れる3年間は確実に環境対策を事業化して欲しい。焼却は煙となり漂うが、ゴミのままの臭気は範囲が限定的。吉野町周辺の環境対策事業とならないか?市長答弁「事務局で協議してからの答弁となり、事務局案を作成」

・高橋氏・・・今回は3年間に限りゴミの積替え保管作業となり、私たちも関心を持ち土成林南地区と一緒に中止を訴えさせてもらった。まだ分からない事、疑問点が多く説明会はもっと必要。8月までには頻繁に開催し話し合いたい?市長答弁「本日、美馬市の地権者と何時間も話し合い交渉してきた。そして今夜の説明会に臨むことが出来た。市民の皆さまに対し認識が誤り、考えも甘かった事を改め、出来る限り要望に沿うよう協議して説明会を進めていく。両町の市民の方々の意見を踏まえて」

傍聴者意見=今までの住民説明会の中で、この日の質疑応答が一番充実していたのではないかと感じた。各々質問者が簡潔にまとめて発言し、執行部から少なからず期待する答えが得られたと思う。昨日、住民から提出された申し入れ書(今後3年間センターで「積替え保管作業」する事を中止させる)が、説明会で疑問を持つ住民の後押しをした部分もあるだろう。ひとつの質問を1番目、2番目、3番目と別の住民が深掘りしていった所も強みを持ち、明確な答弁が引き出せたのではないか。

この事業に限らず、疑問があり納得出来ない住民が望むことは「対話」「情報開示」である。質問者の怒りは、決定した事業の過程において全く参加出来なかった事、そこに対話がなかった事である。それを求めていた。施設が吉野町にあるため、組合組織側では阿波市が一番厳しい立場にある。しかし、20年で稼働終了の覚書を交わしたなら、やはり上板町と板野町は施設の土地を確保し、阿波市同様、町民への理解と説明を行って組合構成員の責任と覚悟を示すべきだったと思う。両町とも覚悟を持った土地の確保ではなかったように感じる。選択肢はどれをとっても同等評価出来、大型事業なら3つくらいの案で進めていくのが望ましかったのではないか。柔軟性を持って交渉に望めば優位にも立てるし、余裕をもって内容や金額にも冷静な判断が出来る。むろん、どの選択肢にも充分なエビデンスを用意し、決断の過程は資料として残すことが重要である。

残念なことは傍聴する市議の態度。松村市議は21時頃退席し帰ってしまう。三浦市議は市民の質問中、席を離れ堂々と説明者側に座る副市長の席へ行き、市民に背中を向けて暫くの間話し込んでいた。失礼な態度に質問者は発言を中断。議会では会議中、議長の許可なしにみだりに議席を離れてはいけない規則がある。議会ではないが、住民に対する説明会の最中である。議員としての資質に欠ける行為であった。

ゴミ処理に伴う土成町住民説明会(2025年5月24日)

出席者=執行部14名、市議2名(木村市議・樫原市議・笠井欠席)、市民17名、傍聴者約14名 

説明内容=現状及び今後の方針・運営について(積替え保管施設・新ゴミ処理施設・周辺対策事業等)

管理者町田市長挨拶=丁寧な説明をし、住民皆さまのご意見・疑問点を聞き、推進していく。

質問者4名(19時~21時半)

・中川氏・・・①土成・吉野の住民に伝えたいこと?市長答弁「20年間お世話になり、ありがとうございました」②稼働20年間とする覚書や協定をどう捉えているか?市長答弁「計画の変更もあり申し訳なく思う。協定書には重みがある」③2名の出席市議は、今まで組合に対して地元住民の疑問の声を伝えてきたか、甚だ頼りにならなかったと感じるが?答弁無し。④何を主に組合運営を進めているのか?市長答弁「住民が一番だと考え、施設運営を進めている」⑤21日に、土成の林南自治会長ら4名が52名の署名を添えて、新施設運営の遅れを、現行の施設敷地内で積替え保管作業をするなとの申し入れをした。これを受けどう判断する?市長答弁4自治会毎に説明をする時間を頂きたい」⑥運搬車両確保費とは何か?局長答弁「車代ではない。R7年8月から2.8年の運搬に係る人員や臭気対策費等の準備費用」⑦この事業、既に1億の費用が支出されているが何に使われた?後に局長から聞き準備費用として合同通運に支払われたと答えられた。

・岩野氏・・・先日、中央広域環境センターの利用中止の申し入れをした。3年間の運営でどの様な安全対策をするのだろうか?申し入れをした以上、我々からも自治会員に説明する必要があり、口頭の説明では理解出来ない部分がある。金額にしてもである。住民が理解し判断出来る様な文書を作成して頂きたい?市長答弁「地元自治会の方々が分かる様、今後の運営計画、臭気対策等予算も併せて文書にまとめ作成する」

・白川氏・・・①現在の稼働施設は今後どうするのか。取り壊しを希望するが、JFEと中央広域環境施設組合との間で譲る様な噂が聞こえてくる。その後合同通運に渡される話になりはしないのか?市長答弁「現在の施設は2市2町での運営。この構成での話し合いで今後決めていくものであり、その様な話は全く聞いた事がない」②先ほどの市長答弁で、利用延期中止を申し入れた代表者に自治会毎に説明をするというが、全体にすればいい。なぜ、個別に説得するような場を作るのか?市長答弁「個別に一人ひとりという訳でなく、文書提出の自治会単位で説明をしていく」

・川田氏・・・①今回の3年間の山口までゴミを搬送する運営が決まったのはいつ?市民の間から組合側はこんな事即答出来んのか」「3月の住民説明会の前頃だろ」という声が上がる。局長がその後ぼそっと何か言う。②周辺の環境調査はどこが行う?局長答弁「東洋技研が行う。サンプルを取って、年2回環境調査する」③周辺対策事業とは1.5㎞圏内というが、人に対してだけか農地は対象ではないのか?局長答弁「自治会の加入者対象となる」④遅れた事業さえ、再び延長になるとしたらどうするのか?局長答弁「延長にならない様努力していく」この質問は何度も聞き返されたが、管理者も同様の答弁を繰り返された。遅れる訳にはいかないため、この答弁しか言いようがない。

傍聴者意見=21日に自治会代表たちが、中央広域環境センター利用中止を申入れした。この申し入れ書提出は、5月24日の朝刊地域総合面で記事となり、見出しは「ごみ保管」改造中止を阿波市長に住民申し入れである。これは住民説明会に向けて、組合側に対しプレッシャーをかけることが出来たと思う。ただ、代表の岩野氏と市長の質疑応答を聞いていると、強く中止を訴えている訳ではない印象が伺えた。組合側の説明不足に憤りを感じている様だ。同じ反対意見でも住民感情は個々に差異がある。焼却施設のある地元に対しては、より丁寧な説明が求められるし、約束が守られなかったという理不尽な結果を突き付けられた地元住民の怒りは、この8月に向けて益々高まってきたことも事実である。また、白川氏の質問は2問の記載となった。かなり多くの疑問を投げかけられていたが、答えを待たず意見する時間に割かれていたので、こちらも聞くことに集中し書き留められなかった。予定時間を大幅に過ぎ、最終質問者の方が簡潔にいい質問をされた。一問一答を丁々発止に交わされて気持ちのいい締めとなった。