藍住町議会を傍聴(2023年12月5日)

日程 5日開会、12日一般質問、15日議案審議閉会

議員16名西川良夫議長(75歳) 米本義博副議長(52歳) 議員の平均年齢64歳 

2023年4月藍住町人口35.446人(有権者28.965人) 

議会議事録はHPで公開。議会だよりは別冊発行で年4回。

開会:会期の決定は議長から報告し議会に諮る。町長挨拶は行政報告と議案提案理由を述べる(演台にて)。その後、理事による補足説明と各分野は担当課長から説明(自席にて)

傍聴者の意見=議会の流れが上板町とは違い、議長から会期日程を報告したり、理事-課長の議案補足説明を自席ですることは時短につながる。また、職員席、議員席にタブレットが導入され、用紙をめくる音が無いため議場は非常に静かであった。ただ説明する職員は予算書の原本を持ち、ページを示しながら説明をしていた。上板町ではない光景で、タブレットが苦手な議員もいたようだがペーパーレスに取り組んだ結果がみえた。

 

2023年第3回定例会 予算審議

日程最終日 8月31日

 事業費4400円追加今年度予算 54億7600万円に膨らむ 

 主な事業(1)台山山頂高架水槽解体工事費(2012年以降使用せず老朽化)2400万円(年度初めに設計を進め、今年度中に工事を終える計画) 

     (2)交通安全対策,自転車ヘルメット購入補助費(500個) 150万円(高校生以上の全住民対象で1個につき半額補助,上限3000円・県補助)

     (3)リーディングDXスクール委託料(タブレット実践授業向上) 150万円(全国小中ペア200校を選定・高志小,上板中が手をあげ県からの指定校に・国補助)

令和4年度決算(森監査委員報告・いずれも数値は適正であるが、一部運営には見直しや努力の指摘)

柏木議員=●財政調整基金の合計が年々増加?(1億8770万円増で15億)総務課長答弁=国から特別交付金・コロナ対策交付金・臨時地方創生交付金等あり、委託料減額による(予算執行の過程で残る繰越金を積み立てたと健康推進課長)(傍聴者意見=ではなぜ減額,残るのかを追及し、過剰見積もりを指摘すべきだったと思う)

坂東議員(関連質問)=●コロナ対策等の交付金が切られた後の予算計画は厳しいのでは?総務課長答弁=4年間国から16億~21億の交付金。今後、積み立てた基金を財源とする計画に。(傍聴者意見=目的が定まった交付金は事業計画を提出し残れば国へ返還義務がある。返還額への再問が欲しい)●水道事業の建設改良費5900万円で3000万円弱もの不用額?水道課長答弁=排水管改良工事の地質調査で、導管に流量計が入らず仕様変更した。そのため流量計は安価になった。

乾議員=●徴収率の低下理由と今後?税務課長=町民税は昨年末の税務署の修正申告により増額となったためである。今後対象住民とは納税相談から始めていく。(住宅使用料の未済額5300万円の過年度徴収率は9%。この滞納額は消えないので最終には法的手段を取り裁判へと進む。分納誓約をまき、確実に徴収出来るように努めると環境保全課長)

富永議員=現在の正規職員と会計年度任用職員の数?  (傍聴者意見=すぐに対処出来ず時間を費やした課長に問題はあるが、令和4年度の決算審議である。現在のことについて質問をした議員に議長から一言あってもよかったのではないか。決算審議に相応しい質問ではない。今回も議長の議事進行に問題ありと見た)

今回の予算・決算の審議は共に「異議なし」で終了。傍聴席からは議会の全貌が見えるが、TV放送は審議が中断した時間はカットされ、本会議のみとなる。なので傍聴席からは、議会の流れの中で時間のロスは見ていて気になる。以前,副議長が討論の順番を理解出来ず発言し、議長も基本的な流れが認識不足で判断が出来ず、他の議員が指摘する見苦しい場面もあった。審議の主旨がつかめていれば(議員質問がルールを守っていなくとも、内容にズレがあっても)無駄な時間が生じないよう議長の采配でキビキビした議会運営は出来る。議場では議長がトップ、統括しなければならない。議事進行の文章を読むだけなら誰でも出来る。

9月定例会ー29日開会

(1)開会、初日の疑問

あと20日で上板町議会議員選挙が始まる。直近の定例会で一般質問の議員が6名とは。平素でもほとんどの議員が質問するのに、選挙前の時期でこの人数は異常。どういう意識で議会に臨んでいるのか。

開会になり、定例会中の日程を報告する。その報告書に書かれてある言葉で気になったのが「町長挨拶」。「町長の所信表明」と言われる開会後の発言が、上板町では「町長挨拶」という表記になっている。いつの頃からそういう表記になったのか。前任者までは所信表明と言われていた。松田町長になってからの変更である。2018年6月定例会までは町長所信表明とある。2019年9月定例会から町長挨拶に変更された(議会事務局HPより)。確かに松田町長の定例会始めの発言内容は、所信表明ではない。ご自分が目指すところ、その志しや熱量を住民に訴えかけるものではなかった。なぜ、所信表明となるよう意気込みを伝える努力をしなかったのか。就任後3回の定例会を経て、4回目の定例会では「町長所信表明」からただの「町長挨拶」になった。努力もせず残念なことである。しかし、妥当である。

 

(2)補正予算の主な事業

●自転車交通安全対策としてヘルメット購入補助費 150万円(500個)=ヘルメット1個につき半額の補助。但し上限3000円とする。(これは高校生以上、全住民に対しての事業)

●公共施設の老朽化による高架水槽解体工事費(大山山頂)2400万円=当初予算で解体設計費を。年度内に執行出来るよう、今回は工事費を予算計上。

9月定例会ー日程と議員の一般質問

8月29日(火) 町長挨拶と予算説明

         一般質問=岩野議員・安田議員

  30日(水)   一般質問=村上議員・前田議員・乾議員・柏木議員

  31日(木) 予算審議

9月  1日(金) 議案審議(議会の都合で閉会になる可能性あり)

 

議員の質問通告

岩野議員=①高齢者への移動支援 ②高齢者個別避難計画 ③水防と救急に対する防災対策

安田議員=①高齢者の健康予防 ②行政のデジタル化への取り組み ③小中学校の授業の在り方

村上議員=①果樹農家の問題点に対する取り組み ②議会のタブレット導入

前田議員=①緊急通報システムの状況 ②幼稚園の外国語教育 

乾議員 =①令和4年度決算(不用額・人件費)  ②公共施設トイレの洋式化 ③学童保育夏休みの給食導入

柏木議員=①マイナカードに対する町の認識 ②特別障がい者手当の周知不足 ③高齢者補聴器の助成 ④国民健康保険の18歳未満の均等割減免

6月定例会ー予算審議(16日)

 補正予算額の1億5200万円を審議する。これで今年度の全体予算は54億3200万円となる。世界経済の冷え込みもあり、今回国から価格高騰重点支援交付金があったためその関連事業に対しての質疑が多かった。

柏木議員=物価高騰により低所得者に3万円支給する事業の対象者の基準?  民生児童課長答弁=非課税1650世帯と生活急変50世帯分の予算5320万円。急変世帯の基準は令和5年1月から9月までの収入が非課税世帯と相当になった場合、給与明細等で証明出来るものを添付し申請をする必要がある。上板町広報で周知する。

坂東議員=(上記の追加質問)同一敷地内で親子2世帯や同一家屋での親子世帯の課税・非課税の区別が役場では明確に把握出来るのか?  担当課長答弁=非課税者でも課税者と同居の場合は課税世帯と見なし、国に定められた基準で事務処理を行っている。  

富永議員=橋梁維持費400万円のうち、点検委託料200万円と工事費200万円が発生する理由。金額からして職員で点検や工事が可能なのではないか?  建設課長答弁=町内236橋を5年間で点検し修復工事を行うため、当初予算からの(物価高騰)単価変更による増額分である。なお、職員は点検資格を持っていない。(この回答を頂いてもなお新規事業の金額と思い込んだような意見を述べていた。金額で分かりそうに思うが、答弁を落ち着いて聞いてほしい。)

乾議員=国の(価格高騰重点支援)臨時交付金によりいくつか支援事業を行うが、その対象者を選定する事務処理のシステム改修委託料に各々数百万円かかっている。毎年同じような給付支援なのに入れ替える必要があるのか。職員の手作業で出来る範囲ではないのか?  民生児童課長答弁=対象者の家族構成は年度ごと状況変化していくので、税情報・子育て世帯情報など各課より連携して対象者を決定することになる。情報の入力作業は年々改めなければならない。

 その後、予算の決議では、議員の賛否が分れました。賛成者多数で予算は可決しましたが、各々の議員の考え方を皆さまはどう感じますか。

反対討論・・・乾議員=5,000円の商品券を11,400人の全住民に配布する事業。国からの費用は4800万円、それに町の基金を取り崩して(1400万円)まで金額を増やすことが必要なのか。上板町は財政面の引き締めをしていただきたいと思う。賛成討論・・・村上議員=他の自治体にも、上板町と同じように国の費用だけでなく、自治体から持ち出して事業をするところは多い。

傍聴者意見=賛成の議員は、上板町の予算を守るより、少しでも多くもらい住民が喜ぶことを臨みました。反対の議員は、将来の心配、行政に対する責任が全くない子どもたちのこと、を考えれば身の丈に合った頂きもので満足することが必要ではないかと考えました。傍聴者の意見も賛否割れましたが、ひとつ言えることは議会の仕事・責任は何かと問われれば、将来を見据えて安定した行政を子どもたちに継承させることです。厳しい予算と分かりながら、コロナ禍になってから国からの臨時交付金が多くなり現金支給が当たり前になってきました。頂くことの当たり前はとても危険に感じます。

 

議員名 賛否
坂東
前田
鈴木
富永
岩野
村上
青山
柏木
安田
吉岡

 

しかし、上板町の行政運営で大きな問題は、緩めるばかりで全く締める部分がないことです。では、住民に喜んでもらう事業をするには、裏側で行政運営のコスト削減、一番は人件費の削減ですが、真剣に行っていますか。今、緩むことばかりで、いったいどこを締めているのでしょうか。その付けを負うのは住民です。実際私たちは数十年前の付け払いをさせられています。今後の付けは子どもたちの将来にかかります。現在、未来への具体的な施策が無い状態では、身の丈に合う事業で安定につなげることが必要ではないでしょうか。議会は行政運営をしっかりと締めていただきたいと思います。

 

 

質問への回答(3)

 6月8日の全員協議会にて、再び質問文書に対して話し合いをしたそうです。その結果、全議員が回答をしないという方向に決定したそうです。質問に回答するという姿勢を撤回するのも疑問です。住民へ向けて、議員自身の考えを述べる機会はとても大切なことだと思います。しかし、全員が集まると内向きの方向へ進むという議会の消極的な空気感は大きな問題です。最終は議長の判断に任せることになりますから、議長自身の議会改革への力の入れ方が問われることにもなるのではないでしょうか。今はどこの議会も、住民に対しては発信の重要性から、委員会の傍聴や住民との交流会を積極的に取り組む努力をしています。それでも、住民に議会への関心を持ってもらうことが大変難しいことは、どの議会でも苦慮されていることです。その中で、住民の方から発信のチャンスを提案させていただいたにもかかわらず、無しにすることはいかがなものかと思いました。上板町議会の改革にはまだまだ大きな壁が立ちはだかっています。残念です。

質問への各議員の対応(2)

2023年6月6日 議会運営委員会終了後 議会事務局の方から、提出文書は各議員に対してなので12名の議員に直接手渡して欲しいと伝えられました。出席議員7名にその場で、参加していない議員には自宅の方へその日のうちに全議員に手渡しました。そのうち3名は直接口頭で質問に答えられ、あと3名からは定例会までに文書を作成しておくとのお返事をいただきました。

上板町議会議員に質問文書提出 2023年6月6日 (1)

 議員の皆さま、日々町のために種々の活動ありがとうございます。今年は私たち住民との懇談会を実行してくださり、少し議員との距離が近づいて来たのではと感じました。これからも継続をお願いします。先には、私たち住民へのアンケートを取られましたが、活動の参考にされておられますか。今回は私たち住民から、議員の皆さまにご質問させて頂き、考えをお聞かせ願えたらと思います。普段の活動に対する素朴な質問です。以下の3点です。

1)4年間の議員としての目標は何だったのか。それに対する達成の有無。

2)現在の議会改革において住民の関心度を上げる具体策を持っているか。

3)議会の予算審議で予算案の修正についての考え。(参考資料添付・5月29日徳新朝刊の現論)

 6月定例会は目の前ですね。今回も傍聴にまいります。その時にご回答いただけるようよろしくお願いします。文書でも口頭でもかまいません。「みらい通信」は、住民の皆さまに議員活動の発信のお手伝いをさせていただきます。平等性を保つため、各議員の回答に対して、一切のコメントはいたしません。どうかよろしくお願いします。(この文書は「上板町の未来を考える会」より、議会運営委員会を開催する前に提出させていただきました)

藍住町議会の傍聴

今、藍住町は学校給食への牛肉納入をめぐり、官製談合事件で混乱を招いている。奥田元副町長と平石元副議長が業者の男性と共に3月6日に起訴された。事件は2020年10月、納入業者を決める時に最低見積もり価格を業者に漏らしたということである。

3月6日、定例会開会。事件を受け、藍住町長が所信表明でどの様に説明対応するのか。15分強の所信表明。

「町政への信頼を著しく失墜させ、ご心配ご迷惑をおかけしたこと、大変申し訳なく深くお詫びする。奥田副町長に対して任命責任は私にある。今後、不祥事の再発防止に向け職員の綱紀粛正、事務処理の改善見直し等、信頼回復のため全力で取り組み、長の責任を果たしていく。」

その後、新年度の重点取り組みを述べる。長としての各分野に対する目標や考え方を示し、具体的事業を簡単に説明。大きな事業に対してはパブリックコメントを実施する。老朽化の藍翠苑建替えに関して場所選定は決まり次第、議会に報告。グローバル化のための中学生の海外派遣、英語力向上のための資格検定への支援。藍の館の運営で藍に力を入れ、阿波藍日本遺産認定から4年目、今後関係者と共に推進。変わりゆくコロナ対策の支援にも連携して具体策を伝えていく。最後は行財政改革で、目標は事務負担の軽減・住民の利便性の向上。22年度の基本計画の中間見直しを実施。住民が聞いて分かりやすい丁寧な説明だった。ほとんど金額の提示はせず、将来に向けてこう考えているのでこの様に進めていく。藍住町長がどの様に考えているのかが伝わってきた。

松田町長、参考にしていただきたい。町長が目指す町がどういうものか、そのために今年はここに力を入れるのだと、住民が聞いて理解して頂けるような所信表明を述べてほしい。松田町長は新たな事業と金額を述べるだけ。それでは、どの様な町を目指しているのか伝わらない。